ambulance and sushi - 救急車と寿司-

sunflower bed

ナズダロービア！（乾杯！）

先日youtubeでコロンビアの男性はティーンの頃からドンキー（ロバ）とSEXをしているという悪夢級のドキュメンタリーを見せられてPTSDになりそうな、

ケイです。

夕日、1日で一番いい時間

ウクライナに滞在して早２ヶ月、前回２年前の冬に来た時も４ヶ月ほど滞在したのでかれこれ半年になる。シベリアと違って冬でも食料豊富なウクライナだったが今回夏に戻って来てみると夏のウクライナは遥かにイイ！

マーケットはカラフルなフルーツや野菜で埋め尽くされ、地元のおばちゃんたちも椅子を並べて路上でその日採れたものを売っている。そこらじゅう花と緑に溢れ川や湖の数が多く綺麗、雨は降っても短くいつもカラッと晴れていて気持ちがいい。雨の日でも洗濯物が乾く。

よくある街中の光景

山に登りたければカルパチア山脈へ、ビーチで泳ぎたければ黒海へ。ソビエトに浸りたければ東側の町へ、ヨーロッパ建築に浸りたければ西側の町へ。物価も平均給与も日本の1/10程で2.5Lのビールが１ユーロ。

このクラフトビールは高いが、市販のペットボトルのビールは涙

ベトベトの蒸し暑い東南アジアのタイ人ですら、今年の夏日本に来たらもっとヒドかったと聞くからここ東欧の夏の過ごしやすさがわかる。

スモーク祭り

美味しいチーズ、サラミ、ソーセージ、スモーク魚・肉・チーズ。
ウクライナの安価で美味な食材で料理するだけで全く文句はないのだけど、
毎回泊まらせていただいている方達の為に実はほぼ毎日日本料理を作っている。

自分で作るのが一番美味しい

日本料理（特に寿司）はロシアが爆発的に人気なように、影響大のウクライナも例外ではなく首都キエフを歩けば銀行の数より寿司バー（日本料理屋）の数の方が多い。
ただ値段が日本と同じかもっと高い割に味はいまいち。うどんやラーメンを頼んだ時は翌日まで後悔した・・。ビザの関係で日本になかなか来れないウクライナ人にとっては高価でファンシーな店内で食べる日本料理は高級料理なのだ。

よくある寿司チェーンで友人ヤロスラブと再会

だからこそこの不味くて高い料理を「ほぉ〜これが日本料理かぁ。」と勘違いされたくない。もっとも、大手チェーンの経営者もシェフもみんなウクライナ人なのだけれど。

ウクライナの寿司

これまで中国から中東から数々の家で寿司を握って巻いて、お好み焼きをひっくり返してきた。が、ここで少し方針転換！あるものを使って超簡単にそして美しく握り寿司が作れる方法を発見した。

一体何でしょう・・・？？

寿司新時代

そう、コレ！！
アイストレー（製氷器）！
コレで高い海苔も買わなくていいし巻き方や握り方が下手な人でも簡単に握り寿司が作れるのだ！

good smile

各地でクッキング教室を開くと・・
「OMG!まじマジックだ！」
「これで本物の寿司屋が開ける！」
と大好評！　
ベジタリアンには各種野菜を用意し、好きな野菜または魚、肉を自分で入れられる。

チーズやハムも合う

という訳で荷物の中にピンクのハートのアイストレーが仲間入りしました。

キエフのサイクリスト夫婦

ついでにベトナムの生春巻きも作ったり。
この夫婦もベジタリアンだから野菜中心の生春巻きを作ってる。
DimaさんとAnastasiaさん、防水パニアを取り寄せるのに大変協力してくれた。

チョップスティクス

箸の正しい使い方を教えてるところ。

箸は寿司バーのおかげで使うのは初めてじゃない人が多いけれど、みんな持ち方が面白い。。とにかく短く持ってて、指先から３cmくらいしか箸でてないw
そしてよくある寿司を醤油の海に落としてビシャビシャにして食べてるw
しょっぱいけどこういうものだと思って食べてるみたい。
寿司はしょっぱいものだってw

得意技、握りとお好み焼き

と順調に楽しい寿司パーティーも終わり残り物をつまんでいたある日の翌日。。
シオリちゃんの様子がおかしい。
酔っ払っているのかなと思いきや体調が急変。

全身に赤い紅斑ができてきて呼吸が荒くなってきた。
何を食べた・・？？！

見た目も美しいのが日本料理

シオリちゃんは青魚のアレルギーを持っていて、火を通していないものは食べれない。
サバの缶詰や焼き魚は食べれるけど、塩漬けやマリネは食べれない。
この日寿司に使っていたのは東欧どこでも手に入るニシンの塩漬け。
これを２ピース程知らぬ間に食べていた・・。
以前関西で一度サバの押し寿司を食べて体が赤くなって痒くなったらしいけど、今回ほど酷くはなかった。

死にそう・・

すぐにベッドに横にならせてバイタルを測ると血圧が90台と低く頻脈。
皮膚の赤みが広がり首回りが若干腫れてるようで呼吸もしずらくなってきた。
サチレーションは落ちてないけど・・・変なこと言って意識混濁してきた。

アナフィラキシーショックだ・・。

酷くなると命の危険もある。
５分ごとに計測している間に家のホストに頼んですぐに薬局と知り合いの医師に頼んでアンプル薬と注射器を買ってきてもらった。

病室完成

＊写真の端っこに写る「わかめ」は薬とは無関係。

本人注射だいっきらいなの知っているけど、まさかの筋肉注射。
壮絶激痛なやつ・・。
でもこの状況でヤダとか言ってられないから、許して。
ナースの底辺を進むケイでごめんだけど一応これでも看護師だお

「はーい、すぐ終わりますからね〜」　注射。チク！

シオリ「イっっっっっっっっったーーーーーーーーーあああああああいいい！！！」

涙ホロリ。

そして生き返った。多分痛みで生き返ったw
血圧戻ってきて話せるようになってきた。
良かった・・。

それから１時間。
家の人が州立のドクターを呼んでいて巨大ナースとともに到着。
薬の効果が落ちてきている時間だし念のためとまたさらに、
静脈注射二本！

シオリ「イターーーーーーーーっっっ！！！（殺す気か！）」

俺あれは正直いらなかったと思うけど、念のためか。

イケメンDr.

その後順調に回復、泣いて喜んで、お世話になったみんなに謝った。
実はこの日はケイの誕生日の翌日だった。
誕生日の時に作った寿司の青魚には手を出さなかったのに、今日は反省。
（´-`）.｡oO


ケイの７つの自転車バックの一つは全部救急道具。
血圧計、サチレーション(Bluetoothでモニター飛ばせる!!)、聴診器、包帯、各種薬品・・なんでも入っていて、
今回来た州立ドクターが持ってきた救急箱よりも大きい。
商売道具で、この為に世界に出たのだから。
どんなに重くたって運ぶさ。

命の重さに比べたら軽いもんだ。


最悪の誕生日にならなくて良かった。
シオリちゃん、生きててよかった。

生還

100回くらい見た山Pのコードブルーで中学生が集団アナフィラキシーになったの思い出したよ。